子どもごとのアルバムを作る
プロローグ
家にあるものの中で、捨ててはいけないものはまず写真ということになるでしょうか。なくなってしまえば、お金を出しても買うことができないから。でも、何度も取り出して見ているのでアルバムはすでにボロボロ。しかも、カビが生えているものまであります。子どもも独立したことだし、この辺で大量の未整理の写真を含め、3人の子どもごとのアルバムを作ろうと思い立ちました。私以外に整理できる人間はいないのだから、楽しいアルバムを作って3人にプレゼントすることに。
写真の分類
そもそも写真の多さにびっくりします。同じような写真を何枚も撮る必要があったのかと笑ってしまいます。でも微妙に表情が違うので、可愛い写真を残そうという親心だったのでしょう。アルバムに貼ってある写真でけではなく、実はいろいろなところに写真が散在しています。リビングの引出しで
あったり、学習机の引出しであったり。まずはすべての写真を集めて分類することから始めました。
さあ、これらの写真をどう分けるか。まずは名前の書いた袋を用意し、誰のアルバムにどの写真を振るか、処分してもいい写真はどれかを決めていくことになります。名前の書いた袋を用意し、誰が主役なのか、全体の分量のバランスはどうか、その子ごとに年代を網羅しているかなどなど考えながら、袋に入れていきます。未整理の写真はともかく、アルバムに貼っているのは結構はがすのも大変。ピンボケだったり、劣化がひどいもの、同じようなものが何枚もある場合は処分することに。この作業がかなり大変でした。
3人兄弟、圧倒的に長男の写真が多いのです。初めての子だから、何をやるのも初めてで、新鮮だからついつい写真を撮ってしまったようです。長女は私が仕事をしていたので、私が撮った写真はそれほど多くはありません。でも、保育園でたくさんの写真を撮ってもらっていました。少ないのは次男。一人で写っている写真がほとんどありません。いつもお兄ちゃんと一緒。次男のある時期の写真が極端に少ないのが気になりました。
家中の写真を探す
次男は小学校から野球大好きでした。塾はよくさぼったけれど、野球の練習は風邪で熱があっても自分で起きて出かけていました(週末は仕事疲れで私は起きられなかったのですが・・・・)。中学、高校も野球部でした。野球の写真が一枚もないのは不自然です。次男が家を出るとき、一応部屋を片付けて出ていったのですが、その時中途半端に片づけた整理箱が物置にあったので念のため探してみました。ここだったのですね。他にも、意外なとことから写真がぽろぽろ出てきます。
デジタルカメラが普及し始めってから、紙ベースの写真はほとんどなくなります。いい写真はプリントアウトしておこうかとも一瞬思いましたが、そこまでやるエネルギーはありません。デジタルデータならばがさばらないし劣化しにくいので、そのままで良しとすることにしました。やはり子どもにとって、赤ん坊~小学校入学前までの写真が一番貴重なものなのではないかと思います。自分の記憶が曖昧だから、とて不思議な懐かしい気持ちになるようです。今の面影があるようでないようで、人に見せてもすごく盛り上がるからです。
アルバムを作る
色違いのアルバムを各2冊ずつ、計6冊購入しました。長男が白、次男が紺、長女が水色(彼女にピンクはない)。まずは、写真が少ない次男のアルバムから作成することに。アルバムに貼る写真を選んで、ほぼ年代別に並べます。
長方形の写真は、1ページに何枚も貼れません。そこで、切り抜いてコラージュ風にすることを思いつきました。これだと、動きも出るし、臨場感が出てドラマチックな仕上がりになります。無駄な部分をカットし、顔だけアップで切り抜きしたり、面白い動きの体を型抜きしたり、風景や背景は必要なものは入れ、違う写真を組み合わせたりと、まあ何て楽しい作業。1枚のページに度の写真を組み合わせて貼るかが腕の見せ所です。同じような写真の組み合わせでは単調でつまらないページになります。なので、年代が少し違っても、場所、動き、表情、色味、切り抜いた形などの組み合わせで、躍動感が出るように工夫しました。
昔の思い出が鮮明に甦ります。この子たち、本当に仲がよかったのだなと改めて思います。嫌なこともいっぱいいあったのでしょうが、写真の中の子どもたちは無邪気で、なんて幸せそうなこと。アルバムをみるときっと幸せな気持ちになれるだろうなと思いながら、喜々として作業を進めていきました。
次男に渡す
次男が休暇で帰ってきたので、アルバムを渡したら感激していました。写真を見ながら、ああだこうだ昔のことを話します。この子は、本当にかわいかった。幼稚園の時は、ファンの女の子が遊びに来るぐらいだったから。いつもお兄ちゃんを追いかけていて、だからいつも一緒の写真。兄弟お揃いの服を着せたりしたんだな。
次男は「○○は本当にブサイクだな~」と妹のブサイクさに妙に感動していました。確かに、長女はとんでもない顔をしていて、大人になってよくここまで持ち直したと思います。最近よく美人だ、スタイルがいいと褒められるそうですが、長男と次男の中では、ブサイクな妹のイメージが強烈に残ることでしょうね。仕事が忙しいとき、次男に保育園のお迎えをよく頼んだものでした。やっぱりそれはそれでお兄ちゃんの役割を果たしてくれたのです。住んでいる名古屋に帰るとき、大事そうにアルバムを持っていきました。
長男のアルバムが未完成
意を決して、膨大な写真の量の長男のアルバムづくりに取り掛かりました。この子は本当に写真慣れしています。カメラを向けると、しっかりポーズを取っている。しぐさが、やけに女の子っぽいですね。とにかく、お人形のように可愛い。色白で、まつげが長くて、ちょっと頼りなげで、幼稚園の保育士さんや、年上の女の子にとても人気があったのを覚えています。運動神経は悪くないのに、臆病で、弱虫で、折り紙や粘土で遊ぶのが好きでしたね。小さいころからピアノが抜群に上手かった。ピアノの発表会の写真だけでもアルバム1冊埋まってしまいそうな分量です。今でもピアノを続けていますが、大好きな、特技となる趣味があるというのは、本当に幸せなことだと思います。
写真をかなり選んで貼って行ったにもかかわらず、2冊目のアルバムが埋まったところで、まだ小学校入学ぐらいまでしかいっていません。小学校からの写真はだいぶ減ってくるとはいえ、もう1冊は絶対に必要です。あまりの写真の多さに、とりあえず同じアルバム1冊と、追加できる台紙を購入しました。使わない没写真と、これから先選んで貼る写真の袋に分けて、このまま長男に渡すことにしました。モノを捨てられることを極端に嫌がるので、不要なモノは自分で捨てさせます。案の定、長男に確認したら写真を捨てるなんてありえないでしょう、全部スキャンして取っておくと。自分でやって。
アルバムを見た長男も、例によって「○○は本当にブサイクだな~」と妹ブサイクさに妙に感動していました。3人で写っている写真もありますが、妹のブサイクさが際立つ感じ。気が弱くておとなしい長男ですが、3人でいると家長というか絶対的にお兄さんという風格になるのは面白いところ。
長女に渡す
休みの日に帰ってきた長女にアルバムを渡すと、やはり感動していました。例によって「やばい、本当にブサイクだな~」自分のブサイクさに妙に感動していました。これウケルとアルバムの写真を携帯で取っていました。SMSにアップしたら、さぞかし反響があるでしょうね。中学校あたりからとてもモテたし、色白で小顔、スタイルが抜群なので、一般的には美人で通るのでしょう。
お友達との写真は、やはり懐かしい様子。「○○ちゃんと仲がよかったんだよね」とか、この子は今こうしてる、ああしてるととしきりに説明をしてくれます。長い時間の流れが、一瞬で甦るのは写真の威力ですね。娘のアルバムは、2冊でほぼ高校生までカバーできているのですが、大量の保育園の写真があるため、やはり同じアルバムをもう1冊買い足しました。残っているのは同じような写真ばかりなのですが、一応本人に確認したら、アルバムにこれだけ写真を貼ってくれたから、後は処分してもいいよですって。だって私に聞かないで捨てればわからないじゃない・・・・確かに。長男とは感性が全く違い、男女が逆になっているのですね。ブサイク写真がお気に入りで、持って帰りたかったようですが荷物が多いのでまた今度。
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